日刊工業新聞 2001.6.15

自由鏡面ミラーカメラ

歪みなく広角画像撮影

ヴイストンが開発

ヴイストン(大阪市此花区島屋4の2の7、大和信夫社長、06−6631−7720)は、広角に画像撮影を行っても画像周辺に歪みが生じない自由鏡面ミラーカメラ「ヴィジュアルストーンーNDシリーズ」を開発した。開発した自由鏡面設計技術により、ミラーの形状を解析設計することで、地面や壁を真上から見たかのように歪みなく撮影できる。通常、カメラは画角(水平)を広げると、被写体が湾曲して写る樽(たる)型の歪みが発生するが、歪みを補正する画像処理を行う必要がない。

同装置はドーム型カメラのように事務所の天井などに設置して撮影する。撮像範囲は縦7.5×横10メートル。画角は水平132度。防犯関連などの需要を見込んでいる。今月下旬から大学、企業の研究所向けにサンプル出荷を始める予定。これまで360度周囲が撮影可能な全方位センサーを基幹技術として、システムや画像処理などアプリケーション開発を行ってきた。現状の防犯システムはカメラからの映像信号をそのまま利用するケースが多い。全方位センサーの画像と画像処理を組み合わせたシステムのニーズは高いものの、市場拡大には時間がかかると判断し画像処理を必要としない撮像装置を開発した。同社は2000年8月に設立した研究開発型ベンチャー企業。開発のスピードを上げるため、全方位センサーを発明し基本特許を持つ和歌山大学システム工学部の石黒教授が取締役として参加している。


戻る