「メガローバーVer2.1 フルカスタム版」は、既発売の「メガローバーVer2.1 サイズオーダー版」をさらに進化させ、注文時の筐体サイズ指定のほか、車輪数を通常の三輪、ないしは四輪からお選びいただけるようにした製品です。「メガローバーVer2.1 サイズオーダー版」については本製品に統合する形とし、高性能・高汎用・低価格・短納期を実現した、総合的なカスタム台車ロボットソリューションといたします。弊社といたしましては、本製品の発売によって、需要の拡大が見込まれる自律移動型ロボットのさらなる研究と開発の促進、さらには、日常生活における安心・安全・便利なロボティクス技術の活用に貢献して参ります。
注文時に寸法と車輪数の指定が可能
メガローバーVer2.1 フルカスタム版は、本体注文時に「寸法」と「車輪数」指定が可能です。寸法指定の範囲は、三輪時にトレッド(駆動輪の間隔)が480~1000mm、ホイールベース(駆動輪とキャスターとの間隔)が277~800mm、四輪時にトレッドが290~800mm、ホイールベースが600~800mmで、最小指定幅は1mm単位です(四輪時のトレッドは駆動輪間の幅です。キャスター間の幅はプラス60mmとなります)。車輪数の指定は、通常の三輪構造のほか、四輪構造の指定が可能です。いずれの場合でも駆動輪は前方の二輪のみとなり、後方は従輪(キャスター)となります。また、指定寸法や車輪数に関わらず、可搬重量は約40kgを実現しています。
なお、寸法と車輪数の指定が可能なのは本体注文時のみで、購入後の変更には対応していません。また、購入後にユーザーの手によって仕様を変更できる機能は備わっておりません。
三輪時の指定可能な寸法例
二輪駆動の大型台車ロボット
メガローバーVer2.1 フルカスタム版は、二輪駆動にキャスターを加えた構造となっているため、シンプルな制御で駆動させることができます。駆動輪には通常の車輪を採用しているため、全方位移動機構の台車ロボットと比較すると、耐久性や静粛性といった点で有利なほか、横滑りしにくいなど、より幅広い場面で活用できる特徴を備えています。
本製品は、注文時の指定寸法にかかわらず可搬重量約40kgを実現しており、様々な用途の研究・開発目的に余裕を持って応えることができます。内蔵バッテリーによる最大稼働時間は約65時間(※)で、長時間にわたる稼働テストなどにも対応可能です。サイズ指定に対応したことで、様々な寸法・重量の機材を搭載することができ、これまで以上に幅広く、柔軟な運用を実現します。研究・開発用途はもちろん、実用を見据えた実証実験や現場での実動検証など、物流・運送業務などで求められる自動運転や自動運搬技術の迅速な開発と実用化を支援します。なお、本製品は高い可搬重量を実現している関係上、車輪の数によらず、安定した動作を実現するためには搭載する機材の重心位置に一定の配慮が必要です。
(※) バッテリー駆動時間については、標準的な環境下での設計値です。実用の状況によって、バッテリー駆動時間は大きく異なります。
有線/無線接続による制御
メガローバーVer2.1 フルカスタム版は、Wi-Fi / BLE / BluetoothClassic の3種の無線通信と、有線のUSBシリアル通信に対応しています。指定のコマンドを用いることで、PCやタブレットなど、様々なデバイスから制御することが可能です。
ROSメッセージ通信でコントロール
メガローバーVer2.1 フルカスタム版は、ROSメッセージ通信に対応しています。ROSが動作するデバイスとWi-FiまたはUSBケーブ ルで接続することで、ROSを使った制御が可能となります。
ROSメッセージ通信を使うことで、速度や旋回量の指令値を、わずか数行のコードでメガローバーVer2.1 フルカスタム版に送信することができ、ROSロボットとして幅広い活用が可能です。
導入ドキュメントと以下のサンプルプログラムが付属するため、初心者の方でも、ROS環境で制御システムを作成し、簡単に動かすことができます。
LRF(レーザーレンジファインダー)などのセンサーを用いた高度な制御を、少ない開発負担で実装することが可能です。
ROSを動作させるデバイスは別途ご用意いただく必要があります。弊社で推奨するデバイスの動作環境は後述の通りです。
【ROSサンプルプログラム一覧】
- ゲームパッドからの操作
- マウス(タッチパッド)からの操作
- SLAM(gmapping)
- SLAM(cartographer)
- navigation
※本製品に含まれないライブラリーなどのセットアップが追加で必要になる場合があります。
※SLAM、navigationを行うためにはLRFが必要です。LRFオプションのご利用が便利です。
Arduino IDEでプログラム可能
メガローバーVer2.1 フルカスタム版の制御ボードである「VS-WRC051」には、ESP32-WROOM-32マイコンが搭載されてるため、Arduino IDEを用いて制御プログラムを作成することができます。製品付属のライブラリーには、モーター制御関数や通信関数が含まれていますので、少ない開発負担で制御プログラムを作成することが可能です。
※VS-WRC051に対してArduino IDEを用いてプログラミングする場合、Arduino IDE 1.8.9以上が動作する環境が必要です。
専用の無線コントローラーで簡単操作
本製品に付属するゲームパッド型無線コントローラー「VS-C3」を使えば、PC等を接続しなくても、メガローバーVer2.1 フルカスタム版を無線操縦することができます。ボタンやアナログスティックを使用し、前後へ移動、回転させることができますので、手動操縦で動作させる際や、動作確認等に便利です。
ハードウェア構成
製品仕様
サイズ |
三輪構成時
- 最小時:W549 × D413 × H168 (mm)
- 最大時:W1069 × D936 × H168 (mm)
四輪構成時
- 最小時:W446 × D734 × H160 (mm)
- 最大時:W956 × D934 × H160 (mm)
|
可搬重量 | 約40kg |
本体材質 | アルミニウム |
最高速度(実測値) | 1.4m/s(ベースモデルであるメガローバーVer2.1での参考値です) |
バッテリー | 12Vシール鉛バッテリー 312Wh |
駆動方式 | 二輪駆動、後部キャスター×1 |
タイヤ直径 | 駆動輪:152mm、キャスター:40mm |
モーター | DCモーター 40W×2 |
回転検出 | エンコーダ |
制御基板 | VS-WRC051 |
SDK | VS-WRC051用 Arduinoライブラリ、ROSパッケージ |
インターフェース | USBシリアル、Wi-Fi、Bluetooth Classic、BLE |
収録サンプル |
Arduinoライブラリ
ROS用サンプルコード
- ゲームパッドからの操作
- マウス(タッチパッド)からの操作
- SLAM(gmapping)
- SLAM(cartographer)
- navigation
|
付属品 | 充電器、無線操縦セット |
注文時オプション | LRF(レーザーレンジファインダー)、非常停止スイッチ、ワイヤレス充電、Raspberry Pi 3B、非常停止スイッチ、ROS PC、拡張機器用電源基板、カメラステーオプション、デプスカメラオプション |
※本製品は屋内専用です。屋外での使用は想定しておりません。
※製品仕様その他は、予告なく変更する場合がございます。
※開発環境やROS環境はお客様にてご準備ください。
ROS使用時の推奨動作環境
下記条件を満たしていても、相性などにより、正常に動作しない場合があります。
仮想環境は、タイムラグにより安全な制御が行えない場合があり、推奨しておりません。
OS | Ubuntu 16.04 (64bit) | Ubuntu18.04 (64bit) |
ROS | ROS Kinetic | ROS Melodic |
CPU | Core i5 7200U | Core i5 8259U |
メモリ | DDR4 PC4-17000 4GB | DDR4 PC4-19200 8GB |
ストレージ | SSD 128GB | M.2 SSD 256GB |
グラフィック | Intel HD Graphics 620 | Intel Iris Plus Graphics 655 |
各種ダウンロード
購入時オプション一覧
ご注文時にご依頼いただく事で、様々なオプションを取り付けた状態で発送いたします。
取り付けにはお時間をいただきますので、事前にお問い合わせください。
※Jetson AGX Xavier™搭載オプションにつきましては、入荷予定が立っていない為、現在は受注を受け付けておりません。
【実用事例】
名城大学理工学部 田崎研究室
研究テーマ:安価なセンサーによる自動運転向け地図生成
田崎研究室では、車載可能な安価なセンサーで地図生成を行う研究を行っています。
自動運転車は地図を利用しないとスムーズな動きはできませんが、地図の生成コストはとても高いという問題があります。
安価なセンサーでの地図生成機能の簡易テストとして、研究成果を自動運転用ソフトウェアAutowareに組込み、
Autowareからメガローバーを制御しました。
名城大学理工学部電気電子工学科
システム・情報通信研究室 田崎研究室
カスタマイズのご案内
研究開発用台車ロボットは、標準機では仕様を満たさない、別途機器を搭載して研究をしたいといった企業様向けに、ご要望に合わせたハードウェアのカスタマイスが可能です。カスタマイズにおける費用、納期については要件ごとに異なりますので、まずはお気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちら
※なお、お客様独自のシステムに関する開発・サポートは行っておりません。
- カスタマイズ事例
- A社:稼働時間を長くするためにバッテリーを増設
- B社:積載重量300㎏用にハードウェアの設計
- C社:別途機器を搭載するための取り付け穴を天板に追加工
- D社:別途機器を搭載するのためのやぐらの設計、取り付け
- E社:オプション品のLRFではなくユーザーが指定するLRFを取り付け
- F社:より強力なモーターへの変更
拡張用部材の搭載例(追加工無し)
よくあるご質問(FAQ)
- 製品のCADデータ・その他部品のCADデータは提供してもらえますか?
- 研究開発用台車ロボットシリーズにつきましては、製品本体、部品等のCADデータは提供しておりません。ご購入後にPDF形式の三面図データは提供可能です。
- 取扱説明書等はどのように入手できますか?
- 専用ページよりダウンロードいただけます。専用ページの情報は本体に同梱の案内用紙に記載されております。
- 屋外での使用はできますか?
- 研究開発用台車ロボットシリーズは屋内での使用を想定した機器となっております。そのため、防塵性能や防水性能は有しておりません。 また、屋外での使用についてはサポート対象外となります。
- 制御ソフトウエアのサポートは対応可能ですか?
- お客様独自の作業を要する事項についてはサポート対象外となります。
- 本製品を購入後、追加オプションの付加を行うことは可能でしょうか?
- 取付作業を弊社で実施する場合は、製品発送の送料及び取り付け費用を別途ご負担いただくことで対応可能です。オプションの内容により取り付け費用は異なりますので、まずはお問い合わせフォームよりご連絡ください。
【交換方法の解説動画はこちら】
- 天板への追加工やホイールベースの変更等は可能でしょうか?
- 内容によっては特注としてお受けできます。カスタマイズ事例をご確認の上、問い合わせフォームよりご相談ください。
- Raspberry Pi設定に関するドキュメントはありませんか?
- Raspberry Piのセットアップに関する部分につきましてはサポート対象外とさせていただいております。Raspbianを使用される場合は、公式ドキュメントご参照ください。ROSberryPi
- 実機を見ることはできますか?
- ヴイストン株式会社の大阪本社にはデモ機がございますので、法人様に限りデモを行うことは可能です。
ご希望の方は事前にお問い合わせフォームよりご相談ください。
※現状、新型コロナウイルス感染症の影響によりWEB通話対応にて実施しております。
Arduinoは、Arduino AGの登録商標です。
Intel Core、Irisは、Intel Corporation またはその子会社の登録商標または商標です。
Ubuntuは、Canonical Ltd.の商標または登録商標です。
BluetoothRは、Bluetooth SIG, Inc. USAの商標または登録商標です。
Raspberry PiはRaspberry Pi財団の商標または登録商標です。
ROSは、Open Source Robotics Foundation, Inc.によるオープンソースのプロジェクトです。
Wi-Fiは、Wi-Fi Allianceの登録商標です。
その他、記載されている製品名などの固有名詞は、一般に各社の商標または登録商標です。